訪問看護の資金繰り対策|報酬入金の遅れとファクタリング5社

訪問看護ステーションでは、看護サービスを提供してから報酬が入金されるまで、おおむね2か月のタイムラグが生じます。人件費や車両費、医療材料費は先に発生するため、医療保険・介護保険の請求予定と支払予定を早めに整理することが重要です。

この記事では、訪問看護に適用される保険の考え方、報酬の入金サイクル、資金繰り対策を解説します。訪問看護療養費・介護報酬債権の取扱いは会社ごとに異なるため、無料見積もり前に請求内容を伝えて確認しましょう。

PR:本記事には広告リンクを含みます。掲載順や広告の有無だけで契約先を決めず、各社の見積書、契約書、公式案内をご確認ください。手数料、審査結果、入金時期は申込内容によって異なります。

ノートパソコンを手に事務所に立つ訪問看護ステーションの管理者

この記事でわかること

項目内容
対象読者訪問看護ステーションを運営する経営者・管理者で、医療保険・介護保険が利用者ごとに異なる請求構造や、入金サイクルに資金繰りの不安がある人
記事のテーマ訪問看護の医療保険・介護保険の適用区分と、資金繰りを見直す選択肢としてのファクタリングの使い方
比較する会社数5社(日本中小企業金融サポート機構、MSFJ、JBL、いーばんく、プログレス)
参照した公的情報独立行政法人福祉医療機構(WAM)の公開資料、厚生労働省の公表資料、金融庁の注意喚起
訪問看護における医療保険と介護保険の適用の考え方を示す図解

訪問看護は医療保険・介護保険のどちらが適用される?

医療保険・介護保険の請求集計と提出前確認リストを見る管理者

訪問看護ステーションの資金繰りを考えるうえで、まず押さえておきたいのが、利用者ごとに医療保険と介護保険のどちらが適用されるかという点です。独立行政法人福祉医療機構(WAM)が公開している解説ページによると、どちらの保険が適用されるかは利用者が自由に選べるものではなく、利用者の状態によって決まるとされています。

適用される保険主な条件
介護保険65歳以上で要介護認定を受けている場合、基本的に介護保険が適用される
医療保険介護保険の被保険者は40歳以上(40〜64歳は特定疾病に該当する場合に限られる第2号被保険者、65歳以上は第1号被保険者)のため、40歳未満の利用者はそもそも介護保険の対象外となり、医療保険が適用されます。40歳以上であっても、要支援・要介護の状態に該当しない場合、厚生労働大臣が定める別表第7の疾病等(多発性硬化症、パーキンソン病関連疾患、筋萎縮性側索硬化症、人工呼吸器を使用している状態など)に該当する場合、病状が急に悪化し主治医が「特別訪問看護指示書」を出した場合、「末期の悪性腫瘍」と診断された場合などは医療保険が適用される

同じ訪問看護という業務であっても、対象となる疾患や状態、訪問できる回数・人数には違いがあるとされています。具体的にどちらの保険が適用されるかは、利用者ごとの状況によって個別に判断されるため、詳しくは主治医やケアマネジャーに確認してください。この「ひとりひとりの利用者ごとに請求先が変わりうる」という構造が、訪問看護ステーションの資金繰りを見通しにくくしている一因だと考えられます。

訪問看護ステーションの運営では、利用者への訪問が完了した時点と、その対価が資金繰りの上で確定する時点の間に、構造的なズレが生まれやすくなります。訪問看護には人員体制に関する基準が設けられているとされ、請求の確定が遅れているからといって、人員をすぐに調整することは難しいです。サービスの質と安全性を維持するために、人件費などの支出を先に賄い続ける必要がある点が、訪問看護ステーションの資金繰りを圧迫しやすい一因になっています。

訪問看護サービスの提供から報酬入金までの4ステップを示す図解

なぜ「訪問は終わっているのに、まだ確定していない」と感じやすいのか

医療保険・介護保険の請求状況(提出済・審査中)を確認する様子

医療保険が適用される場合、訪問看護費は「訪問看護療養費」として、社会保険診療報酬支払基金または国民健康保険団体連合会(国保連)への請求(レセプト)を経て支払われます。介護保険が適用される場合は、「訪問看護費」として国保連への請求を経て支払われます。いずれの場合も、本サイトで別に取り上げている診療報酬・調剤報酬ファクタリングの記事で確認した仕組みと同じく、サービス提供月の翌月10日までに請求し、審査を経て入金されます。国保連を介する訪問看護療養費については、厚生労働省の通知で、原則として請求月の翌月20日までに支払う運用が示されています。

段階内容
サービス提供利用者の自宅等を訪問し、看護サービスを提供する
レセプトの作成・提出提供月の翌月10日までに、医療保険の場合は支払基金または国保連へ、介護保険の場合は国保連へ、利用実績に基づく請求書(レセプト)を提出します
審査提出されたレセプトについて、記載内容の確認・審査が行われます。記載内容に不備があると、返戻(差し戻し)が発生し、翌月以降に再請求が必要になる場合がある
支払い審査を経て入金されます。国保連を介する訪問看護療養費は、原則として請求月の翌月20日までに支払う運用が示されています

このように、訪問という「サービスの提供」が完了した時点と、その対価が「資金繰りの上で確定する」時点の間には、構造的なタイムラグが生まれやすくなります。しかも、利用者ごとに医療保険・介護保険のいずれが適用されるかが異なるため、同じ月の中でも請求先が複数に分かれ、資金繰りの見通しがさらに立てにくくなる場合があります。なお、正確な審査・支払いのスケジュールは、請求内容や審査支払機関の処理状況によって変動する可能性があるため、「おおむね2か月程度」という記述はあくまで一般的な目安として受け取ってください。

訪問看護ステーションの資金繰りで支出が先に発生し、報酬の入金が後になることを示す図解

訪問看護ステーションで先行しやすい支出

パソコンで10月の資金繰り表を確認する管理者

訪問看護費・訪問看護療養費の入金が後ろにずれやすい一方で、訪問看護ステーションには、それより先に発生する支出がいくつもあります。

支出の種類発生しやすいタイミング入金タイミングとのズレ
看護師・理学療法士などの人件費月次で固定的に発生します審査・支払いを経た訪問看護費の入金より先に発生しやすいです
訪問用車両の維持費・ガソリン代訪問のたびに発生します同上
医療材料・衛生材料の仕入れ発注・納品のタイミングで資金が先に出ていく同上
24時間対応加算などに伴う夜間・休日のオンコール体制の人件費体制を維持するための固定費として発生します同上

このように、「利用者にはきちんと訪問し、看護を提供しているのに、手元の資金が先に減っていく」という感覚が生まれやすい構造が、訪問看護ステーションにはあります。なお、車両維持費や医療材料費の具体的な相場はステーションの規模・地域によって異なるため、ここでは「訪問看護費の入金より先に支出が発生しやすい」という一般的な構造の説明にとどめています。

診療報酬・介護報酬・調剤報酬ファクタリングとの違い

訪問看護の早期資金化は、本サイトで別に取り上げている診療報酬ファクタリング(クリニック・病院向け)、介護報酬ファクタリング(介護事業者向け)、調剤報酬ファクタリング(調剤薬局向け)と考え方が似ていますが、対象となる事業者と、請求先が利用者ごとに変わりうるという点が異なります。

比較項目訪問看護診療報酬・調剤報酬介護報酬
根拠となる制度医療保険制度または介護保険制度(利用者の状態により異なる)健康保険制度介護保険制度
対象となる事業者訪問看護ステーションクリニック・病院・調剤薬局等訪問介護・デイサービスなどの介護事業者
主な支払元社会保険診療報酬支払基金または国保連(利用者ごとに異なる場合がある)社会保険診療報酬支払基金または国保連国保連
請求の方法訪問看護療養費または訪問看護費の請求(レセプト)レセプト介護給付費請求書(レセプト)
特有の資金繰り事情同じ月でも利用者ごとに請求先(医療保険・介護保険)が分かれることがある医療機器のリース料や人件費が中心人件費・車両費などが中心

いずれも「公的な制度を通じて入金されるまでに一定の期間がかかる請求権を早期資金化する」という考え方は共通していますが、訪問看護の場合は、利用者ごとに請求先が分かれるという点が、他の3業種とは異なる特有の事情になっています。

そもそもファクタリングとはどんな仕組みか

本題に入る前に、ファクタリングの基本を簡単に整理します。ファクタリングとは、事業者が保有する請求権を、支払期日より前にファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金化する仕組みです。融資とは異なり、原則として借入ではなく債権の売買として扱われる点が特徴とされています。

契約形態関わる当事者特徴
2社間ファクタリング利用者(ステーション)とファクタリング会社の2者売掛先への通知を原則として行わずに進める契約形態です。対象債権や回収方法によって利用可否は異なります
3社間ファクタリング利用者・審査支払機関・ファクタリング会社の3者売掛先への通知・承諾を伴う契約形態です。医療・介護報酬債権で必要となる手続きや対応可否は会社によって異なります

訪問看護費・訪問看護療養費の請求権をファクタリングする場合、医療保険・介護保険のどちらを根拠とする請求権かによって、会社ごとの対応可否が変わることがあります。契約前に、自ステーションの請求内容(医療保険・介護保険のどちらが中心か)を正直に伝えて相談することをおすすめします。

訪問看護ステーションが比較したいファクタリング会社5選

以下の5社は、訪問看護療養費・介護報酬などの請求権を早期資金化したい場合の比較候補です。対応できる債権や契約条件は会社ごとに異なるため、申込み前に医療保険・介護保険の内訳と請求先を伝えてください。

PR:以下には広告リンクを含みます。同じ請求条件で2〜3社へ無料見積もりを依頼し、手数料差引後の受取額、入金予定日、追加費用を比較しましょう。

会社名比較ポイントCTA
日本中小企業金融サポート機構資金繰り全般も相談したい場合の候補です。訪問看護療養費・介護報酬債権の対応可否を確認しましょう。無料見積もりを確認
MSFJオンラインで相談したい場合の候補です。必要書類と手数料以外の費用も確認しましょう。無料見積もりを確認
JBL対面なしで手続きを進めたい場合の候補です。土日祝日の対応時間と入金予定日を確認しましょう。無料見積もりを確認
いーばんく費用を重視して比較したい場合の候補です。見積書で手数料差引後の受取額を比較しましょう。無料見積もりを確認
プログレス請求内容を個別に相談したい場合の候補です。対象債権、契約形態、総費用を確認しましょう。無料見積もりを確認

見積もり前に確認する5項目

  • 医療保険・介護保険のどちらの請求権に対応できるか
  • 手数料を差し引いた実際の受取額
  • 申込みから入金までの予定日数
  • 債権譲渡通知や登記の要否
  • 償還請求権がない契約か

急いでいる場合でも、1社だけで決めずに複数社の見積もりを比較してください。契約前には総費用と償還請求権の有無を必ず確認しましょう。

請求額500万円の場合の手数料率別の試算を示す図解

訪問看護費請求をファクタリングした場合のシミュレーション(請求額500万円の場合)

訪問看護費の見積比較(手数料プランA・B・C)を確認する様子

訪問看護費・療養費の請求額が500万円だった場合の、ファクタリング利用時の手取り額の目安は以下のとおりです。あくまで手数料率ごとの計算例であり、特定の会社の手数料水準を示すものではありません。

項目手数料率 1.0% の場合手数料率 2.0% の場合手数料率 3.0% の場合
請求額(売掛金)5,000,000円5,000,000円5,000,000円
ファクタリング手数料50,000円100,000円150,000円
手数料差引後の受取額4,950,000円4,900,000円4,850,000円

※別途、諸経費や振込手数料が必要になる場合があります。実際の手数料率は会社・案件によって異なるため、必ず見積もり時に確認してください。

契約前に確認したい5つのチェックポイントを示す図解(訪問看護ファクタリング)

契約前に確認したい注意点|金融庁も注意喚起

ファクタリングは、正しく利用すれば請求権の入金を早め、資金繰りの選択肢を広げる手段になります。一方で金融庁は、実質的に返済義務を負わせるなど、貸付(融資)と変わらない契約を「ファクタリング」と称して行う業者について、公式サイトで注意を呼びかけている。

注意点具体的な確認方法
医療保険・介護保険どちらの請求権に対応しているか契約前の相談段階で、自ステーションの請求内容(医療保険中心か介護保険中心か)を伝え、対応可否を明確に確認します
償還請求権の有無契約書に「ノンリコース(償還請求権なし)」と明記されているか確認します
審査支払機関への債権譲渡通知の要否・手続き必要な書類や手続きの流れを、事前に会社に確認しておく
手数料以外の費用登記費用や事務手数料などが発生しないか、見積もり時に質問します
契約書の交付契約内容を書面(電子契約含む)で必ず受け取り、口頭説明だけで進めません

なお、この記事はファクタリングの利用を一方的に推奨するものではありません。資金繰りに余裕がある時期は、無理に利用する必要はありません。資金繰りに不安がある場合は、他の選択肢とあわせて比較検討することをおすすめします。

ファクタリング以外の選択肢もあわせて知っておく

訪問看護費・訪問看護療養費の入金ズレに備える方法は、ファクタリングだけではありません。

選択肢内容
独立行政法人福祉医療機構(WAM)の融資制度訪問看護ステーションを含む医療・福祉関連施設向けの融資制度を設けているとされる
日本政策金融公庫や信用保証協会の制度融資借入によって運転資金を確保する方法です。開業間もない事業者向けの相談枠が設けられている場合もある
審査支払機関への返戻(差し戻し)を減らす事務体制の見直し返戻が発生すると再請求・再審査が必要になり、入金がさらに遅れるため、記載内容の確認体制を見直すことも資金繰りの改善につながる

一つの方法に絞り込まず、複数の選択肢を組み合わせて検討することが、無理のない資金繰りにつながります。

タブレットで債権譲渡契約に電子署名する様子

申込みから入金までの一般的な流れ

会社によって手続きの一部は異なりますが、訪問看護ステーションがファクタリングを利用する際の大まかな流れは、次のように共通している部分が多いです。

ステップ内容
1. 資料の準備レセプトの写し、審査支払機関からの通知、通帳の写しなど、提出可能な資料を整理します
2. 申込み・見積もり依頼公式サイトのフォームや電話から、請求権の内容(医療保険・介護保険のどちらが中心かを含む)を伝えて概算見積もりを依頼する
3. 必要書類の提出求められた資料をオンラインでアップロードする
4. 審査・見積もり提示支払元(審査支払機関)が公的な制度に基づくことを踏まえ、買取可否と手数料の目安が案内される
5. 契約・入金契約内容を確認して締結し、指定口座に買取代金が振り込まれる

見積もりの内容に納得できない場合は、契約を急がず、他社の見積もりと比較してから判断しても遅くはありません。

よくある質問

質問回答
開業したばかりの訪問看護ステーションでも利用できますか会社によって対応可否は異なります。訪問実績・請求実績の有無が確認されることが一般的とされるため、事前に問い合わせて確認してください。
医療保険の請求権と介護保険の請求権をまとめて資金化できますか会社によって対応が異なります。両方をまとめて相談したい場合は、その旨を伝えて可否を確認するとよいでしょう。
返戻(差し戻し)になった請求権もファクタリングの対象になりますか会社によって対応が異なるとされています。再請求前の請求権が対象になるかどうかは、個別に問い合わせて確認する必要があります。
利用者が要介護認定の更新で区分が変わった場合、請求先も変わりますか更新後の認定区分や状態によって、医療保険・介護保険の適用が変わる場合があります。詳しくは主治医やケアマネジャーに確認し、変更があれば審査支払機関への請求にも反映する必要があります。
手数料の相場はどのくらいですか会社や契約内容によって差があるとされ、本記事では確認が取れない具体的な数値は記載していません。必ず複数社から見積もりを取り、比較したうえで検討してください。
穏やかな表情で立つ訪問看護スタッフ

まとめ

今日も利用者のもとを訪問し、看護を提供していても、報酬はすぐには入金されません。医療保険と介護保険のどちらへ請求するかは利用者の年齢・疾病・状態などで決まり、入金時期は請求内容や審査状況によって変わります。訪問看護ステーションの経営者・管理者にとって、この感覚は決して珍しいことではありません。今回紹介した5社は、それぞれ特徴が異なります。まずは自ステーションの請求権のうち、医療保険・介護保険のどちらが中心なのかを整理したうえで、公的な融資制度や事務体制の見直しとあわせて、複数の選択肢を落ち着いて比較検討してください。

関連記事

ピタくん

あなたにピタッ!と合う業者は?

30秒の無料診断で、あなたの条件にベストマッチする業者を3社ご提案します。

🎯 30秒診断へ →
← 企業倒産が13年ぶり高水準|中小企業の資… 動物病院の資金繰り対策|窓口精算とファク… →