人材派遣会社向けファクタリング5選|給与支払いの資金繰りを改善

派遣スタッフへの給与支払いは派遣先からの入金より先になるため、売上が伸びるほど一時的な運転資金が不足することがあります。

人材派遣会社向けファクタリングは、派遣先への請求書を入金日前に資金化する方法です。借入とは仕組みが異なり、審査では主に売掛先の信用力が確認されます。

そこで本記事では、人材派遣会社が比較しやすいファクタリング会社5社を紹介します。手数料、最終振込額、必要書類、入金予定日を同じ条件で比較し、契約前に確認したい注意点も解説します。

人材派遣会社向けファクタリングを比較する経営者

この記事でわかること

項目内容
対象読者人材派遣会社・人材紹介会社の経営者や担当者で、スタッフへの給与支払いと派遣先からの入金のタイミングのズレに悩んでいる人
比較する会社数5社(OTTI、MSFJ、JTC、QuQuMo、BestPay)
比較の観点対応可能な債権の範囲、オンライン対応の有無、申込みのしやすさ
参照した公的情報金融庁の注意喚起、一般社団法人ファクタリング事業推進協会、一般社団法人オンライン型ファクタリング協会の公表情報

なぜ人材派遣会社の資金繰りは苦しくなりやすいのか

人材派遣会社の多くは、派遣スタッフに対して月2回払いや週払いなど、比較的短い間隔で給与を支払う仕組みを採っています。一方で、派遣先企業への請求は「稼働月の月末締め、翌月末払い」といった、いわゆる掛け売りの商慣習に沿って行われることが一般的とされています。つまり、お金が出ていくタイミングと、入ってくるタイミングの間に、構造的なズレが生じやすいということです。

人材派遣業のキャッシュフロー発生構造(タイムラグの例)

人材派遣会社に生じる給与支払いと入金のタイムラグ
時期資金の動き資金繰りへの影響
稼働月(1日〜31日)スタッフが派遣先で稼働人件費(給料・社会保険料等)が発生・累積する
稼働翌月中旬(15日等)スタッフへの給与振込が先行する手元キャッシュが大幅に減少する
稼働翌月末日派遣先からの売掛金回収が遅れて発生するここで初めて売上金が入金される

主な資金調達手法の比較

資金調達方法調達までのスピード審査の重点項目財務諸表(B/S)への影響人材派遣業での適用場面
銀行プロパー融資3週間 〜 1ヶ月程度自社の財務健全性・返済能力貸借対照表の負債が増加する長期的な拠点拡大・大型運転資金
日本政策金融公庫2週間 〜 1ヶ月程度創業計画・過去の決算状況貸借対照表の負債が増加する創業資金・新事業展開
ビジネスローン早ければ即日 〜 3営業日自社の信用情報・収支バランス貸借対照表の負債が増加する(高金利)一時的な緊急資金確保
ファクタリング(売買)早ければ即日 〜 2営業日派遣先(売掛先)の信用力売掛金の現金化。借入金として負債計上しないのが一般的(会計処理は要確認)急な増員時の先行給与支払い

このズレは、スタッフの人数が変わらなければ大きな問題になりにくいかもしれません。しかし、新規契約が決まってスタッフを増員する局面や、繁忙期に合わせて稼働人数が一時的に増える局面では、先に支払う給与の総額が膨らむ一方で、その分の入金はまだ先という状態になりやすく、資金繰りの負担が大きくなりがちです。人材紹介業においても、紹介手数料の入金が採用決定から一定期間後になるケースがあるとされ、同様にタイムラグが生じやすい構造があります。

人材派遣会社の資金繰りを確認する担当者

そもそもファクタリングとはどんな仕組みか

本題に入る前に、ファクタリングの基本を簡単に整理しておきます。ファクタリングとは、事業者が保有する売掛金(請求書の金額)を、支払期日より前にファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金化する仕組みです。融資とは異なり、原則として借入ではなく債権の売買として扱われる点が特徴とされています。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較

契約形態関わる当事者特徴
2社間ファクタリング利用者とファクタリング会社の2者派遣先企業に知られずに資金化しやすいが、手数料はやや高めになりやすい傾向がある
3社間ファクタリング利用者・派遣先企業・ファクタリング会社の3者派遣先企業の承諾が必要になる分、手数料が抑えられやすい傾向がある

人材派遣業の場合、派遣先企業との取引が継続的であることが多いため、3社間ファクタリングでも比較的話を進めやすいと案内されることがあります。ただし、これは会社や取引先との関係性によって異なるため、自社の状況を正直に伝えたうえで、対応の可否を確認することが欠かせません。

2社間・3社間ファクタリングの仕組み

人材派遣会社が会社を選ぶときに確認したい5つのポイント

人材派遣会社・人材紹介会社がファクタリング会社を選ぶときは、次のような点を確認しておくと、契約後の行き違いを避けやすくなります。

人材派遣会社がファクタリングで比較したい5項目
確認ポイント見るべき理由
継続的な取引先からの売掛金に対応しているか派遣契約のように毎月継続して発生する売掛金への理解があるかの目安になる
スタッフの増減に応じた相談がしやすいか増員期など、資金需要が変動しやすい時期に柔軟に相談できるかを確認する
オンラインで申込み・やり取りが完結するか現場対応や採用業務で忙しい担当者にとって、来店の要不要は大きな判断材料になる
手数料以外の費用がかからないか事務手数料や振込手数料などが別途発生しないか、見積もり時に確認する
複数の売掛先をまとめて相談できるか派遣先企業が複数ある場合、個別に契約が必要かどうかを事前に確認しておく
人材派遣会社向けファクタリング会社を比較する経営者

人材派遣会社向けファクタリング会社5選

【広告】以下の表にはアフィリエイトリンクを含みます。給与振込日までの着金を希望する場合は、同じ請求書・同じ希望金額・同じ契約方式で2~3社へ見積もりを依頼し、手数料だけでなく最終振込額と入金予定日を比較してください。

会社名比較項目CTA
OTTI継続して発生する派遣料金の請求書、複数の売掛先、追加費用、最終振込額を確認。無料で見積条件を確認
MSFJ法人・個人事業主向けのプラン、必要書類、手数料の内訳、希望日までの着金可否を確認。無料相談で着金日を確認
JTC法人向け。2社間・3社間の契約方式、買取可能額、手数料、入金予定日を比較。法人向け条件を無料確認
QuQuMoオンライン完結。必要書類、適用手数料、最短入金時間、最終振込額を確認。オンラインで無料見積
BestPay注文書・発注書段階の資金化を検討する場合に、対象案件、必要書類、入金日を確認。注文書の申込条件を確認

OTTI|継続する派遣料金の請求書を相談

OTTIを比較するときは、継続的に発生する派遣料金の請求書が対象になるか、複数の派遣先をまとめて相談できるかを確認しましょう。提示された手数料と追加費用を差し引き、給与支払いに必要な金額が残るかを判断してください。

MSFJ|希望金額と入金日を個別に相談

MSFJには複数のプランがあるため、法人・個人事業主の区分、希望金額、必要書類を伝えて見積もりを依頼します。給与振込日が決まっている場合は、審査後の最終振込額と着金予定日を必ず確認してください。

JTC|法人向けの2社間・3社間を比較

JTCは法人向けの比較候補です。派遣先への通知を避けたい場合は2社間、派遣先の承諾を得られる場合は3社間の条件を確認し、手数料と手続き日数を比較しましょう。

QuQuMo|オンラインで見積もりを進めたい場合

QuQuMoは申込みから契約までオンラインで進められるため、採用や現場対応で来店時間を取りにくい担当者が比較しやすいサービスです。必要書類をそろえ、適用手数料と最終振込額、希望日までの着金可否を確認してください。

BestPay|請求書発行前の資金需要も相談

BestPayは注文書・発注書を基に資金化を相談できるサービスです。新規の派遣契約が決まり、請求書発行前に採用費や給与原資が必要な場面では、対象案件と必要書類、入金予定日を確認しましょう。

契約前に確認しておきたい注意点、金融庁も呼びかけている

金融庁は公式サイトで「ファクタリングの利用に関する注意喚起」を公表しており、いくつかの点に気をつけるよう呼びかけています。

ファクタリング契約前の安全チェック項目

出典:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」

一般社団法人ファクタリング事業推進協会や一般社団法人オンライン型ファクタリング協会といった業界団体も、契約内容の透明性の重要性を発信しています。売掛金の売買として案内されていても、契約書の内容が分かりにくい場合は、契約を急がず、担当者に直接確認することをおすすめします。

なお、この記事はファクタリングの利用を一方的に推奨するものではありません。今の資金繰りに大きな問題を感じていない場合は、無理に契約する必要はありません。資金繰りに余裕がない場合は、派遣先企業との支払い条件の見直しや、日本政策金融公庫・信用保証協会の制度融資、独立行政法人中小企業基盤整備機構が案内する「よろず支援拠点」といった公的な相談窓口とあわせて比較検討することもすすめられます。

人材派遣会社が準備する請求書と必要書類

スタッフの増員期など、資金がかさみやすい場面で準備しておきたいもの

会社によって求められる資料は異なりますが、一般的に準備しておくとスムーズに話が進みやすいとされる資料には、次のようなものがあります。

準備しておきたい資料用途の目安
派遣先企業への請求書、または基本契約書・個別契約書資金化したい債権の内容を確認するための基本資料
派遣先企業との過去の取引実績が分かるもの継続的な取引関係を確認する材料になる場合がある
通帳のコピー(入出金履歴)事業の資金の流れを確認するために求められることが多い
決算書や試算表事業規模や経営状況を確認するために求められる場合がある

申込みから入金までの一般的な流れ

会社によって手続きの一部は異なりますが、人材派遣会社がファクタリングを利用する際の大まかな流れは、次のように共通している部分が多いです。

ファクタリングの申込みから入金までの流れ

よくある質問(FAQ)

Q1:複数の派遣先企業への売掛金をまとめて相談できますか?

会社によって対応が分かれます。まとめて相談できるかどうかは、申込み前に確認してください。

Q2:派遣先企業に知られずに利用できますか?

2社間ファクタリングであれば、原則として派遣先企業への通知は不要とされています。ただし会社によって扱いが異なるため、契約前に確認しておくと安心です。

Q3:人材紹介業(採用が成立した際の紹介手数料)でも利用できますか?

会社によって対応可能な債権の種類が異なります。紹介手数料の債権に対応しているかどうかは、各社に個別に確認してください。

Q4:スタッフの給与そのものをファクタリングで用意してもよいですか?

給与を対象にした、いわゆる給料ファクタリングは、貸金業に該当するとされ、トラブルも報告されています。事業者が保有する売掛金(派遣先企業への請求権)を対象にしたファクタリングとは仕組みが異なるため、混同しないよう注意してください。

Q5:自社が創業初年度や赤字決算の場合でも利用できますか?

ファクタリング審査で重視されやすいのは「派遣先企業(売掛先)の信用力」です。自社が創業間もない時期や赤字であっても、派遣先の信用力次第で利用できるケースがあります。

まとめ

スタッフへの給与を先に支払い、派遣先企業からの入金をあとから受け取るという構造は、人材派遣業・人材紹介業に共通する資金繰りの悩みです。今回紹介したOTTI、MSFJ、JTC、QuQuMo、BestPayは、それぞれ特徴の異なるサービスです。まずは自社の状況(継続契約か単発契約か、派遣先企業の数、増員のタイミングなど)を整理したうえで、公式サイトの情報を確認し、気になる会社があれば問い合わせから始めてみてください。

給与振込日が迫っている場合でも、手数料の下限だけで決めず、必要書類・追加費用・最終振込額・入金予定日を確認してください。派遣先との支払い条件の見直しや公的融資も含め、資金繰りへの影響を比較することが重要です。

人材派遣会社の給与支払いと資金繰りを検討する経営者

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