建設業・一人親方向けファクタリング5選|注文書対応と選び方

建設業では、材料費や外注費、人件費を先に支払い、元請けからの工事代金は後日入金されるため、資金繰りに時間差が生じやすくなります。

建設業・一人親方向けファクタリングは、請求書や注文書に基づく売掛債権を、支払期日前に資金化する方法です。融資とは仕組みが異なりますが、手数料や契約条件を確認しないまま利用すると、必要額を確保できないおそれがあります。

この記事では、建設業・一人親方向けファクタリング会社5社を比較し、請求書と注文書の違い、手数料と最終振込額、必要書類、安全な会社の選び方を解説します。自社・自身の取引状況に合う候補を絞り、各社の無料見積もりで条件を確認してください。

建設業・一人親方向けファクタリングを検討する経営者

この記事の結論

建設業者や一人親方がファクタリングを比較するときは、会社名や入金速度だけでなく、次の項目を確認することが重要です。

  • 法人だけでなく個人事業主も対象か
  • 請求書と注文書のどちらを買い取れるか
  • 2者間と3者間のどちらに対応するか
  • 手数料以外の費用が発生するか
  • 必要書類をいつまでに提出すればよいか
  • 審査後の最終振込額はいくらか

注文書の買取に対応するサービスでも、すべての注文書を買い取れるわけではありません。法人限定、月商条件、設立期間などの利用条件が設けられている場合があります。

また、「即日」「最短○時間」といった表示は、必要書類がそろい、審査や契約が滞りなく進んだ場合の目安です。希望する日までの入金が保証されるわけではないため、早めに相談しましょう。

建設会社の資金繰りを確認する担当者

建設業・一人親方の資金繰りにずれが生じる理由

建設業では、売上を受け取る前に多くの費用が発生します。

工事前から材料費や準備費用が必要になる

工事を始めるためには、木材、建材、塗料、配管部品などを仕入れなければなりません。案件によっては、重機や車両の手配、現場までの運搬費、宿泊費なども必要です。

元請けから着手金を受け取れる契約もありますが、すべての費用をまかなえるとは限りません。

職人や外注先への支払いが先に来る

工事代金が入金されていなくても、従業員の給与や外注した職人への報酬は、決められた期日に支払う必要があります。

複数の現場が同時に動く時期は、支出が一時的に増えることもあります。

検収や追加工事で請求が遅れる場合がある

工事が終わっても、元請けによる検収が完了するまで請求書を発行できないケースがあります。追加工事や仕様変更の金額が確定せず、精算に時間がかかることもあります。

建設業の一般的な資金の流れは、次のように整理できます。

建設業で生じる支払いと入金の資金ギャップ

工事代金を受け取るまでに支払いが先行することが、建設業の資金繰りにずれが生じる主な理由です。

ファクタリングとは売掛債権を売却する取引

ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却し、支払期日前に資金化する取引です。

一般的な融資は金銭を借りて返済する契約ですが、ファクタリングは売掛債権の売買として行われます。

ただし、契約書に「債権譲渡」と記載されていれば、必ず適正なファクタリングになるわけではありません。利用者が実質的な回収リスクを負う契約などは、貸付けに該当する可能性があります。契約名ではなく、実際の内容を確認することが大切です。

2者間・3者間ファクタリングの仕組み

2者間ファクタリング

  • 契約当事者: 利用者とファクタリング会社
  • 元請けへの通知: 原則として不要
  • 主な特徴: 元請けに通知せず利用しやすい一方、3者間より手数料が高くなる傾向があります。

2者間では、元請けから利用者へ売掛金が入金された後、利用者がファクタリング会社へ回収金を送金する方式が一般的です。回収した代金を別の支払いに使わないよう、契約内容に従って管理する必要があります。

3者間ファクタリング

  • 契約当事者: 利用者、元請け、ファクタリング会社
  • 元請けへの通知・承諾: 必要
  • 主な特徴: 元請けがファクタリング会社へ直接支払うため、2者間より手数料が抑えられる傾向があります。

一方、元請けへの説明や承諾が必要になるため、取引先との関係や社内手続きも考慮しなければなりません。

請求書ファクタリングと注文書ファクタリングの違い

建設業向けサービスの中には、請求書だけでなく、受注時の注文書や発注書を買取対象として案内しているものがあります。

請求書と注文書で資金化を相談する段階の違い

請求書ファクタリング

請求書ファクタリングは、原則として商品やサービスの提供が終わり、売掛金が確定した後に利用します。

主な確認資料は、請求書、契約書、発注書、納品書、通帳明細などです。

注文書ファクタリング

注文書ファクタリングは、工事の受注後、請求書を発行する前の段階で資金化を相談する方法です。

受注後の材料購入費や準備費を確保しやすくなる可能性がありますが、ファクタリング会社が代金を回収するまでの期間は、請求書ファクタリングより長くなります。そのため、利用条件や手数料が異なることがあります。

また、注文書に対応していても、次のような条件が設けられている場合があります。

  • 利用者が法人であること
  • 一定以上の月商があること
  • 設立から一定期間が経過していること
  • 注文書の発行元が法人であること
  • 過去の取引実績を確認できること

注文書があれば必ず利用できるわけではありません。申込み前に対象条件を確認してください。

建設業・一人親方がファクタリング会社を選ぶ5つのポイント

建設業・一人親方が比較したい5項目

1.個人事業主や一人親方も利用できるか

ファクタリングサービスの中には、法人だけを対象とするものがあります。一人親方が申し込む場合は、個人事業主を対象としているか確認してください。

利用者だけでなく、売掛先も法人に限定される場合があります。

2.請求書と注文書のどちらに対応するか

すでに工事を終えて請求書を発行している場合と、これから工事を始める注文書段階では、選べるサービスが異なります。

申込み時には、「請求書を発行済みか」「注文書だけがある状態か」を正確に伝えましょう。

3.最終振込額はいくらか

公式サイトに「手数料2%から」と掲載されていても、すべての利用者に下限料率が適用されるわけではありません。

見積書では次の項目を確認します。

  • 売掛債権の額面
  • 手数料率と手数料額
  • 事務手数料などの追加費用
  • 最終的に振り込まれる金額
  • 振込予定日

4.現場にいながら手続きを進められるか

日中に現場を離れにくい場合は、書類提出、面談、契約をオンラインで進められるかが判断材料になります。

「オンライン申込み対応」と「オンライン完結」は同じ意味とは限りません。電話確認やWeb面談の有無も確認してください。

5.希望日までに入金できるか

「最短○時間」は、書類の提出や審査が円滑に進んだ場合の例です。申込時間、必要書類の不足、金融機関の振込時間などによって、翌営業日以降になることがあります。

広告の所要時間だけで判断せず、担当者に入金可能日を確認しましょう。

建設業向けファクタリング会社を比較する担当者

建設業・一人親方向けファクタリング会社5選

建設業・一人親方向けファクタリングを選ぶ際は、対応できる債権の段階、必要書類、手数料の内訳、最終振込額、希望日までの入金可否を同じ条件で比べることが大切です。以下は比較候補となる5社です。

※本項目には広告・アフィリエイトリンクを含みます。審査結果、手数料、入金時期は申込内容によって異なるため、契約前に必ず各社へご確認ください。

会社名比較項目CTA
BestPay注文書・発注書段階での資金化を検討する場合に、対象案件、必要書類、入金予定日を確認。注文書の条件を確認
Easy Factor請求書を発行済みの法人・個人事業主向け。オンライン手続き、必要書類、最終振込額を確認。オンライン見積へ
QuQuMoオンラインで申込みから契約まで進めたい場合に、適用手数料、必要書類、入金日を確認。無料見積を確認
MSFJ法人・個人事業主向けのプラン、手数料の内訳、必要書類、着金予定日を確認。無料で相談する
OTTI建設業の請求書が対象になるか、追加費用、最終振込額、希望日までの着金可否を確認。見積条件を確認

BestPay|注文書・発注書段階で相談したい方

請求書の発行前で、注文書や発注書をもとに資金調達を検討したい建設会社・一人親方の比較候補です。対象となる案件、買取可能額、必要書類、入金予定日を見積もり時に確認しましょう。

Easy Factor|請求書をオンラインで申し込みたい方

請求書を発行済みで、オンライン中心に手続きを進めたい法人・個人事業主の比較候補です。提示された手数料だけでなく、差し引き後の最終振込額と着金予定日を確認してください。

QuQuMo|オンライン完結を重視する方

来店せずに申込みから契約まで進めたい場合の比較候補です。請求書に加えて、通帳明細など取引の実在性を示す資料を準備し、適用条件を確認しましょう。

MSFJ|法人・個人事業主向けプランを比較したい方

利用者区分や希望金額に合うプランを相談したい場合の比較候補です。申込み時に法人・個人事業主の別、希望額、売掛先の入金日を伝え、必要書類と費用の内訳を確認してください。

OTTI|建設業の請求書が対象か確認したい方

建設工事の請求書を早期資金化したい場合の比較候補です。売掛先や債権の条件によって審査結果は異なるため、追加費用を含む最終振込額と希望日までの着金可否を確認しましょう。

申込み前に準備したい書類

必要書類は会社や契約内容によって異なります。一般的には、次の資料を求められる可能性があります。

請求書または注文書

資金化を希望する売掛債権や受注内容を確認するための資料です。注文書ファクタリングの場合は、発注書、受注書、請負契約書なども確認される場合があります。

通帳の入出金明細

過去の入金実績や事業の資金の流れを確認するために使われます。直近数か月分を提出できるように準備しましょう。

取引を証明する資料

工事請負契約書、見積書、発注書、納品書、工事完了報告書、元請けとのメールなどが該当します。

追加工事がある場合は、追加分について元請けが承認したことを確認できる資料も用意します。

本人確認書類

一人親方や個人事業主の場合は、運転免許証やマイナンバーカードなどを求められることがあります。

確定申告書や決算書

法人の場合は決算書、個人事業主の場合は確定申告書を求める会社があります。必要となる年度やページを事前に確認してください。

申込みから入金までの一般的な流れ

ファクタリングの申込みから代金受取までの流れ
ファクタリング契約書を確認する一人親方

契約前に確認したい注意点

ファクタリング契約前の安全チェック5項目

金融庁は、ファクタリングを装った違法な貸付けについて注意を呼びかけています。

買取代金が不自然に低くないか

売掛債権の額面に比べて買取代金が著しく低い場合は、手数料と追加費用の内訳を確認してください。

手数料率だけでなく、実際に振り込まれる金額で判断することが大切です。

売掛先が支払わなかった場合の負担

売掛先から回収できなかった場合に、利用者へ買戻しや補償を求める契約になっていないか確認します。

「ノンリコース」という表示の有無だけで判断せず、契約書で未回収時の負担を確認してください。

担保や保証人を求められないか

売掛債権の売買であるにもかかわらず、利用者の資産を担保にしたり、保証人を求めたりする場合は、実質的な貸付けに該当する可能性があります。

契約書の控えを受け取れるか

契約書、見積書、重要事項の説明書などは、契約後も確認できるように保存してください。

会社情報を確認できるか

国税庁の法人番号公表サイトで、運営会社の法人名、本店所在地、法人番号を確認できます。

ただし、法人番号が存在することだけで、サービス内容や契約の安全性が保証されるわけではありません。所在地、固定電話、代表者名、契約条件なども確認しましょう。

参考:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」 | 国税庁「法人番号公表サイト」

よくある質問

Q. 請求書を発行する前でも利用できますか?

注文書や発注書の段階から相談できるサービスがあります。ただし、法人格、月商、設立期間、売掛先との取引実績などの条件が設けられる場合があります。

申込み前に、注文書ファクタリングの対象条件を確認してください。

Q. 一人親方でも利用できますか?

個人事業主を対象とするサービスであれば相談できます。ただし、すべての会社が一人親方に対応しているわけではありません。

また、売掛先が個人の場合は対象外となることがあるため、利用者と売掛先の両方について条件を確認しましょう。

Q. 元請けに知られずに利用できますか?

2者間ファクタリングは、原則として元請けへの通知や承諾なしで契約する方式です。

ただし、債権譲渡登記や契約上の手続き、売掛先への確認方法は会社によって異なります。「通知なし」と決めつけず、契約前に確認してください。

Q. 税金を滞納していても利用できますか?

税金滞納があるだけで一律に利用できないとは限りませんが、滞納額、差押えの状況、売掛債権の状態などによって判断は変わります。

売掛債権がすでに差し押さえられている場合は、譲渡できない可能性があります。事情を隠さず、申込み前に伝えてください。

Q. 赤字でも利用できますか?

ファクタリングでは売掛先の支払い能力が重視されますが、利用者の状況をまったく確認しないわけではありません。

赤字でも相談できる場合はありますが、債権の実在性や売掛先との取引実績などを含めて審査されます。

Q. 申込み当日に入金されますか?

当日中に入金される可能性はありますが、保証されるものではありません。必要書類の不足、申込時間、審査内容、契約方法、金融機関の取扱時間などによって翌営業日以降になる場合があります。

まとめ

建設業や一人親方の資金繰りでは、材料費や人件費が先に発生し、工事代金の入金が後になることがあります。売掛金の入金を待てない場合、ファクタリングは比較候補になる資金調達方法の一つです。

今回紹介したBestPay、Easy Factor、QuQuMo、MSFJ、OTTIは、注文書対応、オンライン手続き、利用対象などの確認点が異なります。請求書・注文書の状態と必要日を整理し、同じ希望額で見積もりを比較してください。

会社を選ぶときは、広告に表示された手数料の下限や入金時間だけで判断してはいけません。

同じ債権について複数の候補へ見積もりを依頼し、手数料、追加費用、最終振込額、入金日、未回収時の負担を比較してください。同じ売掛債権を複数社へ譲渡することは避け、契約内容に納得できる1社と契約しましょう。

建設業の資金繰りを見直す経営者

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